とにかくカビは強敵です
カビ(黴)
有機物の上に生じる菌類またはその菌糸の集まり。糸状菌など、キノコを生じないものをさしていい、適当な温度と水分があれば無制限に成長を続け、至るところに発生する。
この文面だけで恐怖です。
特に今の季節(7月の東京はまだ梅雨時期)で、長雨が続くことで湿度が上昇し1年を通じて1番危険な季節とも言えます。
カビは湿度が60%を超えると徐々に活動し始めるといわれます。 湿度が上がるにつれてその繁殖スピードははやくなります。 湿度70%の状態が続くとカビが発生し、80%を超えると2週間くらいで発生すると言われています。
そして湿度自体は室内での上部(天井側)と下部(床側)でも当然違いますし、クローゼットなどに扉がある場合ももちろん要注意=空気の滞留(空気が溜まり風の通りが悪い場所)もかなり注意が必要です。
1番最初に書いてある通りカビというは菌ですので発生して白だったり、ちょっと青だったりと目に見える状態にもなれば目視も出来ますが、基本的には目に見えないほどの微生物(まぁ細菌だね)ですので、とにかく発生前に未然に防ぐのが超絶大切です。
挙げ句に恐怖なのは発生した菌は空気に乗って(ミクロな細菌よ!)他にも感染っていきますのでくれぐれも絶対防御が必須なのです。
さらのさらに言えば、一度発生してその菌が内部まで浸透(僕らの場合で1番怖いのはこれがやはりレザー、革に入り込むこと)すると水洗いが困難なアイテムは一気にヤバさが加速します。
では、まずは一旦まとめます。
・湿度60%以下を目指すこと
・風通しの良さが大切
・とにかく未然に防ぐ
に尽きると思います。
さてここまではサクッとまずはカビさんのご紹介。
んで、対策的にどうするか?
湿度をまずは知ること
うちの店で1番空気の滞留が深いところ(1番危険な場所に設置している湿度計=この場所が60%以下であれば他の場所は確実にそれを下回る)に設置している湿度計。
1000円とかそんなくらいで便利な物は現代社会では販売されてます。
「湿度計」って書いてググればいろいろ出てきます。
こういった(これもたぶん1500円くらい)湿度計があるとまずはご自宅、保管場所の湿度を知ることが出来ます。
湿度は気温とも連動しますので大体温度計も一緒についていてなんとなく便利。ついでにこいつは時計もあるし。
んで、上にも書いたけれど湿度は部屋やその場所でも違うので注意が必要です。
部屋の上部は基本的に空気が流れやすく、また暖かい空気も上へと向かうので比較的低め、逆に床に近い場所や角などの隅っこは高めになるので注意が必要です。
1番危ないのは「ブーツ」の玄関で、外を歩いて靴自体に「汗(これがカビさんの大好きな栄養分にもなります)」が染み込んでそもそも湿気のある状態で外気も入りやすく、また比較的床に近い玄関という場所はカビの発生がしやすいと思って良いと思います。(めちゃめちゃ直射日光入りまくり〜っていうのであれば別ですが)
ケアとしては空気が乾燥している冬場であればそこまで気を使う必要はないと思いますが、梅雨時期などで雨に降られて濡れたブーツの場合は可能であれば一度部屋の中や風通しの良い(例えば上階のベランダとか理想)ところで水分を抜いて(昔だと中に新聞紙を詰めたりとかしたよね)から保管しましょう。
これはNG!
ちょいと脱線すると履いたままのブーツを買った時の箱にしまったりして保管していたりする人もいるかもですが、これは最悪です。空気の循環の無い箱の中に湿気と共にお過ごし下さる訳なのでカビさんにとっては最高ホテルになっちゃいますので絶対おやめくださいな。
もし可能ならこういうのもある
お店では商品もあるし、ケアやカスタム、ご予約品という商品も取り扱うので専用の「除湿機」を設置しています。トルソーと並べると結構デカイのが分かってもらえるかと思います。(50畳面積対応=結構高い)
うちの店は地下ということもるし、窓もなにもない(そら地下ですから当然ですけど)ので比較的湿度が高めですのでとにかく必須なアイテムです。
このデカさでお水のタンクは確か6Lとか溜めれます。
びっくり仰天で2/3日くらいあれば完全マックスいっぱいです。
「おー・・・水分っていっぱいあるのね」って実感できます。
で、ここから本題で最近だと1万ちょいとか2万円程度で一般家庭用(うちのほぼ業務用)の除湿機もありますが、冬場とかはいらなくなって邪魔だとかいろいろと問題もあります。
まずは保管場所の湿度を測ってみて60%の手前くらいならそんなに焦ることはないので
ちょっとした扇風機やサーキュレーターで空気の循環で良いと思います。
他にはエアコンが設置されていればドライを定期的につけるとかね。
そういったことでもだいぶ発生を抑えることが出来るでしょう。
カビさんがお好みなのは「有機物=レザーとか素材に栄養が含まれているもの」や「塩分=汗=などを含んだままの繊維」です。
僕らのお店で取り扱う商品は結構危険だってことが分かってもらえるかと思います。
これはNG!
んで、気をつけてもらいたいのはスーツなどを着用後、クリーニングに出す前に「スーツカバーを掛けて保管」これもダメです。汗などを含んだ栄養素満載で風通しが悪くなるカバーはNGです。スーツカバーはホコリや紫外線による日焼けからアイテムを守ってくれますが、カビに関しては逆効果です。
* カビ防止ようのお薬的なものが入ったカバーなどは別ですがそれはそれで自己責任でお願いしますね
んで・・・ここからは実例アップ
まぁ偉そうに書いておいて、実際に店の奥で見つけた古いプロトタイプのブーツにカビさん発生です。汗
なにかの整頓の際に「一旦保管〜」のつもりで床の隅っこに放置していた模様・・・
みなさんはこうならないように気をつけましょう!
ではいきます。
カビの代表例的な白カビの斑点ですね。
あわわ。
実はこれはブーツの内側です。
こんな感じで表側(表革)は実は一見無傷。(白っぽく見える部分がありますが、これは表面をワックス加工しているのでその白でカビではありません)
今回見つけたカビさんはブーツの内側の部分です。奥過ぎて写真には撮れなかったですが底の部分なども若干カビさんがおりました。やいやい。
店内の湿度がもっと高いと外側までもカビが発生したのでしょうけど、店内の湿度は比較的常にキープしていて、それでも店の隅っこの一番下+ブーツの内側という完全に空気が滞留する場所にはどうしても生えます。
じゃぁ、万が一カビさんが住み着いたらどうするか?
ついたボディが水洗いの出来るアイテムであれば容赦なく水洗いです。
レザーのような場合は専用のクリーナーで落とします。
ただし、、、ここで残念なお知らですが上記でも触れましたがカビは細菌ですので一度発生すると繊維や組織の奥まで浸透すると思って下さい。(根を張る)
ですのでクリーナーでも深部まで完全に除去出来る保証がありません。
さらに厄介なのはカビさんがこの養分を「かじる」(イメージね)ことによってカビが生えた場所は色抜けや繊維の破損が生まれたりもしますのでクリーナーで落としたあとにもカビ跡のようなものが残ることがあります。
うーん・・・兎にも角にも「生やさない!!!」これに尽きますね。
最後にケアですごく効果的なことがあります。
それは、「良く着ること」です。
日常的に着ることで空気にも触れます。外に出ればカビが苦手な紫外線も浴びます。そういったことでカビの発生を防ぐことにも繋がります。着ることへの愛情って感じでしょうか。
とは言え真夏にレザーを着込んでってのも現実ではないので日常的な管理はやっぱり必須ですね。
会員様であれば(恵比寿の店が残っている間の限定にはなりますが)お預かり専用のコンテナを御用意しております。
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24時間完全空調管理仕様となっておりますので、安心です。レザーなどの新商品の一部は入荷からこちらのコンテナ保管などもしております。(すごい店だね!我ながら!笑)
執筆時の最近もずーーーっと東京は雨です。。。おかげで洗濯物が乾かずに部屋着のTシャツが足りません。。。笑