Thee OLD CIRCUS '' 1973 '' / 9121 / " Gray Bone " / 12oz サージストレッチ スタンドフォールカラー裏なしコート [DUST BLACK]
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THEE OLD CIRCUS - 1973 -
9121
Old Name 「 Old Cross / 古びた十字架」
12oz サージストレッチ スタンドフォールカラー裏なしコート
Material
C-95, Pu-5
Finish
ONE WASH FINISH
Color / Size
DUST BLACK / 0 , 1 , 2 , 3 ,
SIZE SPEC (cm )
※ 採寸方法や加工具合により多少の誤差が生じます
SIZE:0 着丈 89.5 肩幅 43 身幅 47 袖丈 65.5
SIZE:1 着丈 91.5 肩幅 44 身幅 49 袖丈 67
SIZE:2 着丈 93.5 肩幅 44 身幅 51 袖丈 68.5
SIZE:3 着丈 94.5 肩幅 45 身幅 53 袖丈 68.5
Attention Point.
・12oz ストレッチカツラギ素材
・スタンドフォールカラーコートデザイン
・裏地なし軽量仕立て
Novel_
オーバーロックステッチが描く立体パターンの軌跡。
Note_
- 12oz Surge Strech Stand Fall Collar No Liner Coat -
「 12oz サージストレッチ スタンドフォールカラー裏なしコート」
スタンドフォールカラー=ステンカラー(和製英語)、意=第一ボタンをかけたままでも、またははずしても着用できる 二重衿の総称。 春から夏に向けての軽量なコートは裏地をつけないことで実現する。
ただしその為に身生地を軽量にすると重量がなくな ることで無骨なイメージからは大きく歪んでしまう。(よくこのブランドでは歪みを是として捉えるがここでは非へ傾く意味での歪みである)縦糸にムラ糸を用いたサージの生地は特有のランダムな色抜けを見せ、本来デメリットとされる要 素がここでは肯定的な色の奥行きへと繋がる。シンプルさは時にストイックさに似ている。
無機であるデザインのアウトラインに「見せかけた」作りでありながら、各所に特殊な技法を織り交ぜることで意味のある無機を生み出す。
永続的、永久的にも着れる不変的なアイテムだから「灰色の骨」つまりは骨が燃されるのちまでの意を名付けた
Structure Note_
外観的なアウトラインは至ってシンプルなデザインを用いた。
このブランドが長きに渡り構築してきた美しいタイトフォルムシルエットという根が自己にとっての自信でもあるのだから。
シンプルな外観に詰め込んだのは様々な卓越した技法。特殊なジグザグミシン(千鳥格子型)を用いてのオーバーロックによる演出。
簡単に解説するのであればミシンが飛ぶ針の運針を甘く設定しロック状に身生地の裏側から縫い上げていく。
もちろんこれだけでは強度的な不安要素が残るため、事前に本縫いを施しさらに脇にはロックの処理も欠かさない。
一つの縫製箇所を何度も縫い上げる だけで通常の工場では出来ることのない作業の一つ。(専属の縫い子によってこれは完成されていく)アーム部分や背面に施したのは立体的なパターンメイクによる構築。
本来あるべきものをなくし、ない場所に縫い目を入れ込みそこには立体的な型紙の意味合いを含ませる。
全ては出来上がりのフォルムシルエットの為、袖を通した者だけが知りうる快感への道筋であると言える。
Material Note_
12oz Surge Strech / 12オンス染料顔料ストレッチカツラギ
縦糸のみにムラ糸を使用しそのためによって起きうる色の濃淡の奥行きを持ったサージストレッチ素材。12ozとやや厚手でしっか りとしたハリとコシを持ち、無骨なメンズウェアの素材としてちょうど良い仕上がりとなる。染料と顔料の二度染めという特殊な染 色方法を用いることで着用を重ねるごとにフェードアウトしていく色の奥行きが楽しめるであろう。(製品で1度洗いを施している 為に起こる僅かな色の段の違いは縫い目などを見れば分かる)ムラ糸が持つ粗野感が残る糸はどことなく古めかしく現代的ではない のかもしれない。ただし翻ってみればいつだって私達はそういった古き良き時代を追いかけているような気さえしてくるのだ。
ストイックで退廃的なこのコートは僕らが考えるスタイルに必要な要素を全て持ち備えている。
軽量でありながらもゴツさと無骨さを演出する適度な生地。
無機質でシンプルなアウトラインを持つコートながらオーバーロックステッチで彩られた退廃的なデザイン。
春夏時期にはタンクトップや薄手のカットソーを着合わせることで強烈にストイックな雰囲気を演出するコートの一つとして提案したいと考えた作品。
シンプルなアウトラインのコートの中で一際存在感を放つのは立体パターンで構築された縫製を彩るオーバーロックステッチ。
デザインアクセントにもなる太番手の糸を用いて構築されており、ミシンの運針を甘く設定し裏打ちロックすることで縫製され、卓越された技術を持つ職人による素晴らしい技法の一つ。
無骨で退廃的に彩られたオーバーロックステッチを施すことで縫製そのものの耐久性を格段に向上させ、過度な装飾を一切排除しても十分なほどの存在感とデザイン性の両面を支える完成されたディテール。
このブランドらしいタイトなシルエットフォルムの構築となっており、極めてシンプルなスタンドフォールカラーコートのアウトラインを持つ作品に仕上がっている。
春先からの快適な着用を想定し、裏地を抜くことで見た目の重厚感とは裏腹に快適で軽快な着用感を作り出す。
素材にはこのブランドが定番的に採用するストレッチカツラギ生地を用いており、ハリとコシを持つ肉厚な生地厚となっているためメンズウェアとして重要なゴツさや無骨さを表現する。
また、キックバックの強いストレッチを混紡していることにより、タイトなシルエットでも十分に伸縮するのでストレスのない着用を実現する優れた素材でもある。
フロントファスナーと袖のファスナーにはYKK社製の「EXCELLA ZIP」を採用。
白銀に輝く光沢がラグジュアリーな印象を作り出すアクセントとして大きく存在感を放つ。
ファスナーパーツの最高品質ライン と云われるEXCELLA ZIPが優れているのはファスナーパーツの歯の部分である務歯(ムシ)と呼ばれる箇所を研磨し滑らかなスライドを実現するところに存在する。
一般的なムシとは型抜きをしたり、金属を型に流し込みざっくりと成形されるが、EXCELLA ZIPはそこからムシの一本一本を丁寧に研磨する工程を経て構築されている為ファスナーの開閉が非常に滑らかになり、噛み合わせが悪くなってしまう事などの不具合が起こりにくくなる。
さらに使い込むごとに研磨されたムシが滑りに順応するように研磨されていく為、非常に滑らかに経年変化する。
フロントファスナーを覆い隠すよう構築された比翼仕立てのフロント構築。
ファスナー脇にはボタンを配置し、ボタンを閉じる事でもフロントを閉じることが可能なデザインとなる。
ボタンにはこのブランドのアイコンデぃテールでもあるオリジナルで作製したサビ加工の金属ボタンを取り付け退廃的な世界観の構築へと繋げる。
ボタンホール側の比翼部分には適度な間隔にダーツを施すことで比翼部分の過度な開きを抑える役割を持たせる。
流れるように美しいアームのシルエットにはスパイラルアームデザインを取り入れた構築になっており、ショルダーから袖先に向かって緩やかな螺旋を描き腕全体を包むような構築となっている。
細身のシルエットフォルムながらも窮屈になる事はなく、身体稼働に沿った立体構築の一つとなっている。
また、関節を曲げる事で余分なシワなどを排除し、シャープで美しいシルエットフォルムを演出する役割も持つ完成されたデザイン。
コートの両側面に配置されたポケットには無骨なオーバーロックステッチの中に組み込まれている。
無機質かつ美しい雰囲気のコートの表情を損なう事なく、手を下ろした先に「スッ」と手を自然に入れることが出来る絶妙な位置に存在している。
徹底された計算に基づき構築された位置のポケットは過度に腕を曲げる必要もなくストレスを感じる事のない絶妙で素晴らしいディテールとなる。
バックディテールから放たれる強烈な色気を作り出すのは裾に深く入ったスリット。
身体の稼動とともに裾がなびく様が美しく、また風に煽られ揺れ動くその姿から連想されるのはヤレた男の姿。
このコートを用いたスタイリングに組み合わせたのは当店らしい無骨さを体現するエンジニアブーツとカモ柄パンツのブーツインスタイルを提案したい。
トップスには白シャツを組み合わせベーシックかつストイックに。
パンツルックにはミリタリー特有の無骨で男らしい雰囲気を演出するカモ柄パンツにボリューム感のあるエンジニアブーツをブーツインし、全体的なスタイルバランスに重厚感を持たせる。
ステンカラーコートのストイックで存在感のある雰囲気との釣り合いを考えパンツルックにも存在感のあるものを組み合わせスタイルバランスを整えたコーディネート。
コートのフロントを閉じる事でさらに色気と退廃感を併せ持つ雰囲気を放つ。
ロング丈のコートが作り出す縦長効果が美しい「Iライン」を構築しこのブランド特有であるタイトシルエットを強く演出する。
このスタイルの先にあるのは飾り立てる必要もなく「着飾った」完成されたスタイリングの一つ。
立体的なパターンに沿って構築された無骨なオーバーロックステッチ。
退廃的な存在感を放ち、ストイックなスタンドフォールカラーコートが持つ魅力を大きく引き上げる。
美しく、どこか儚く。
過度な装飾を必要とせず圧倒的な存在感を放つ逸品が完成した。
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